なぜ日本でセカンドライフは衰退し、アメーバピグが流行るのか?
私自身、テレビゲームのどうぶつの森、PCオンラインゲームのテイルズウィーバー、ハンゲームなどの多数のゲームをプレイしてきたが、セカンドライフが廃れたあと、アメーバピグが人気を集めつつあるのか考えてみた。
一時期は、「Web2.0の“次”のサービス」と言われ爆発的な人気がでるかと期待されたセカンドライフであるが、2009年前半にはほとんどの企業が撤退し、2月に電通も撤退したことでブームも過ぎ去った。一方、同じ仮想空間サービスである昨年の2011年11月にユーザー数1000万人を突破したアメーバピグが日本では好調である。両者の違いはどういったところにあるのか。
セカンドライフの衰退は、色々な意見がネット上で言われているがまとめると次のような点にある。
- 2007年当時のPCの性能では、3Dゲーム同様のグラフィックカード(グラボ)が必要で、ユーザーが限られてしまう
- 目的を達成するテレビゲームと違い、目的をユーザー自身が設定するというセカンドライフのスタイルは受け入れるのが難しかった
- 一度登録しても「ソフトの起動ができなかった」「操作が難しすぎる」「何をしていいか分からない」などという理由ですぐにやめてしまうユーザーが多かった。
- 企業や広告代理店の参入が相次いだため、右も左も広告だらけという状態になった。
- セカンドライフの公用語が英語であること。唯一の頼りのヘルプも英語であったこと。
- キャラクターを走ったり、飛んだり、座ったり、視点を変えたり、ものをつかんだりといった基本操作が習得しずらかった。
- 仮想通貨が現実通貨と換金できる点はよかったが何をするにもお金がかかった。
- 未成年は参加できない。(年齢を偽って登録する必要がある)
- 日本のアニメに慣れ親しんだ日本人にとって、キャラクターがリアルすぎる。
こういった理由からユーザーは限られ、主にコンピューターのリテラシーの高いユーザーがアバターの着せ替え、アイテム作成、家を建てるといったカスタマイズで人気を集めた。また、リアルマネーが絡むことから、もっぱらアダルト系とカジノにアクセスが集中する結果となった。
一方アメーバーピグは、2009年2月にサービス開始してからアメーバブログの人気もあって好調で、最近では人気タレントを使ったテレビCMなども公開し会員数を増やし続けている。それもそのはずで、アメーバピグが好調なのもきちんとターゲット層のニーズを理解し、マーケティングを考えてサービスを展開しているからと思う。そう感じられる点はセカンドライフと比較して次の点だ。
- Flashで作られているので低スペックなPCやノートパソコンでも操作可能。
- Wiiにも似た二頭身のキャラクターは、アニメとも違った新鮮な雰囲気で女性や大人にも受け入れやすい。
- マウスで移動したいポイントをクリックするだけで、移動できたり、座ったりできるの操作がすぐにわかる。
- 登録時のガイダンスがわかりやすく、ユーザーが次に何をしたらよいかわからないことがない。
- 通報などの機能もあり、ユーザーの不健全化を防いでいる。
こういった理由からアメーバピグは、女性を中心にユーザー数が拡大している。リアル友達を通して広がっていけば、mixiと同様に今後さらなるユーザーの拡大も予想される。コミュニティーも活性化すれば、さらにユーザーが集まると考えられる。また、運営はサイバーエージェントが行っており、今後のビジネスとしてアメーバピグに力を入れていく様子からさらなる拡大によりサービスの充実も増えていくことになるだろう。
セカンドライフとアメーバピグ。この2つのサービスに学ぶことは、どんなにすぐれたサービスでも、どんな人がサービスを使うかや、ユーザーが何もを求めているのか、どうすればサービスが人気を集めるかといった点に注目してマーケティングを行っていく必要があるということかと思います。