前回、Objective-c版のGoogleアナリティクス実装方法を解説しましたが、今回ははりきってSwift版のGoogleアナリティクス実装方法をご紹介します。
バージョン 3.17のiOS SDKでも改めて検証しました。
Googleより、Firebaseが推奨になりましたが、Webサイトと同様の分析するには、Firebaseではかなり役不足です。そのため、アップデート終了していますが、Google Analytics SDKでの計測がアプリ行動分析には有効です。
Objective-c版iOSアプリGoogleアナリティクス実装方法
この記事は、Google公式ヘルプを参考に作成しています。
developers.google.com/analytics/devguides/collection/ios/v3/?ver=swift
ただ、Swift版に関しては、本家のGoogleヘルプがやや不親切でしたので実際に実装しながら解説します。スクリーントラッキングのみで、イベントトラッキングなどの実装方法は無いかと思います。
今回、テストでGoogleアナリティクス計測に使ったのは、開発ツールであるXcodeのiOSのサンプルゲームアプリです。起動すると「Hello, World!」と表示され、タッチすると飛行機が出現します。
アプリを起動して上記のスクリーンが表示されときにスクリーン計測を実装します。
スクリーンを表示するとGoogleアナリティクスのリアルタイムレポートでスクリーン名が表示されます。
アプリに戻りスクリーンをタッチすると飛行機が出現します。
飛行機が現れたタイミングでイベントを計測します。
Googleアナリティクスのリアルタイムレポート>イベントでイベントが計測されました。
では早速、Googleアナリティクスの実装方法です。
目次(ページ内リンク)
Googleアナリティクスのプロパティ開設
アプリ計測用のGoogleアナリティクスの解説は簡単なのと他のサイトでも解説しているかと思いますので割愛します。
Webサイトとモバイルアプリの計測データは共存できないため、必ず別プロパティで新規にプロパティを開設する必要があります。
SDKダウンロード
続いて、iOSアプリ用のGoogleアナリティクスSDKをダウンロードします。
Google アナリティクス開発者サービス SDK | iOS 向けアナリティクス | Google Developers
developers.google.com/analytics/devguides/collection/ios/v3/sdk-download#download_sdk
ここではSDKバージョン3.15を例にご説明します。
最新のバージョンアップデートされ、手順が異なることがあります。
「GoogleAnalyticsServicesiOS_3.15.zip」をダウンロードします。
SDKのコピー
XcodeでiOSアプリのプロジェクトを開きます。
Googleアナリティクスのライブラリをプロジェクトに導入します。
[ul]libGoogleAnalyticsServices.a
GoogleAnalytics>Library配下の各種ヘッダーファイル[/ul]
ヘッダーファイルは必要なものだけ導入します。わからない場合はすべて導入しても問題ないかと思います。
プロジェクトにフォルダを作成して、ファイル群を格納します。
ファイルコピー時のオプションは下記の通りです。
「Copy items if needed」はチェック
「Create groups」を選択
各種ライブラリのリンク
Googleアナリティクスに必要な各種ライブラリをリンクします。
プロジェクトを選択し、General>Linked Frameworks and Librariesから下記のライブラリを追加でリンクします。
[ul]CoreData.framework
SystemConfiguration.framework
libz.tbd (libz.dylibから変更)
libsqlite3.tbd (libsqlite3.dylibから変更)
libGoogleAnalyticsServices.a
[/ul]
セキュア通信の許可
セキュア通信の許可設定をします。
この設定をしないとGoogleアナリティクスにデータが渡らない可能性があります。
Xcodeのプロジェクトファイル一覧から「Info.plist」を選択します。
無い場合に行として「App Transport Security Settings」を追加作成します。
上記の子要素として「Allow Arbitrary Loads」を作成します。
値は「YES」を設定します。
Bridging Headerの作成
Bridging Headerを作成します。
Objective-c用のヘッダーファイルをSwiftでも利用するために「XXX-Bridging-Header.h」ファイルを作成します。
XXXの部分はプロジェクト名を設定します。
新規ファイル作成から「Header File」を選択します。
Bridging Headerをプロジェクトに設定します。
プロジェクト設定からBuild Settings>Objective-C Bridging Headerを選択します。
(検索ボックスで「Bridging」と検索すると早いです)
XXXXX-Bridging-Header.hを入力します。
XXXX-Bridging-Header.hにインポート文を記述します。
ここでは例としてすべて記載します。
#import <フォルダ名/GAI.h> #import <フォルダ名/GAIFields.h> #import <フォルダ名/GAILogger.h> #import <フォルダ名/GAITracker.h> #import <フォルダ名/GAIDictionaryBuilder.h> #import <フォルダ名/GAITrackedViewController.h>
トラッカーの初期設定
トラッカーの初期設定をAppDelegate.swiftファイルに追記します。
トラッカーの指定が、ヘルプが間違っているので注意。
func application(application: UIApplication, didFinishLaunchingWithOptions launchOptions: [NSObject: AnyObject]?) -> Bool { // トラッカーの作成 guard let tr = GAI.sharedInstance() else { assert(false, "Google Analytics not configured correctly") } tracker.trackerWithTrackingId("UA-XXXXXXXX-X") //オプション:例外情報を自動的にGoogleへ送信する tracker.trackUncaughtExceptions = true // report uncaught exceptions //コンソールにデバッグ情報を表示する tracker.logger.logLevel = GAILogLevel.Verbose // remove before app release //データの送信間隔 tracker.dispatchInterval = 2 //ユーザー属性とインタレスト カテゴリに関するレポートの有効化 tr.defaultTracker.allowIDFACollection = true return true }
(パスしてもOK)
オプション:起動時のURLを取得する場合にはこちらを記載します
(動作確認中のため非推奨)
func application(application: UIApplication, openURL url: NSURL, sourceApplication: String?, annotation: AnyObject) -> Bool { // Override point for customization after application launch. let urlString: String = url.absoluteString // Googleアナリティクスのキャンペーン(UTM)パラメータをテキスト解析し、hitParamsにセット let hitParams: GAIDictionaryBuilder = GAIDictionaryBuilder() hitParams.setCampaignParametersFromUrl(urlString) // キャンペーン計測にのみ必要なキャンペーンフィールド // 呼び出し時にキャンペーン(UTM)のソースを設定してなかった場合は、代わりにリファラーとしてホスト名をセット if (hitParams.get(kGAICampaignSource) == nil) && url.host?.lengthOfBytesUsingEncoding(NSStringEncoding.allZeros) != 0 { // Set campaign data on the map, not the tracker. hitParams.set("referrer", forKey: kGAICampaignMedium) hitParams.set(url.host, forKey: kGAICampaignSource) } return true }
スクリーントラッキングの実装
スクリーントラッキングXXXXViweController.swiftファイルなどの各スクリーンが計測されるように追記します。
ここでは「viewDidLoad()」関数に追記しています。
//トラッカーの定義 let tracker = GAI.sharedInstance().defaultTracker //スクリーントラッキング tracker.set(kGAIScreenName, value: "スクリーン名を手動で定義します") let ScreenBuilder = GAIDictionaryBuilder.createScreenView() tracker.send(ScreenBuilder.build() as [NSObject : AnyObject])
スクリーントラッキング+カスタムディメンション
(カスタムディメンションも一緒に設定する場合にはこちらコードになります)
//トラッカーの定義 let tracker = GAI.sharedInstance().defaultTracker //スクリーントラッキング tracker.set(kGAIScreenName, value: "スクリーン名を手動で定義します") tracker.set(GAIFields.customDimensionForIndex(1), value:"ここにカスタムディメンション1の文字列を定義します") let ScreenBuilder = GAIDictionaryBuilder.createScreenView() tracker.send(ScreenBuilder.build() as [NSObject : AnyObject])
イベントラッキングの実装
イベントトラッキングの実装は、ボタンなどのクリック回数を計測するために実装します。
ここでは「touchesBegan」関数に追記しています。
//トラッカーの定義 let tracker = GAI.sharedInstance().defaultTracker //イベントトラッキング let EventBuilder = GAIDictionaryBuilder.createEventWithCategory("イベントカテゴリ", action: "イベントアクション", label: "イベントラベル", value: nil) tracker.send(EventBuilder.build() as [NSObject : AnyObject])
イベントトラッキング+カスタムディメンション
(カスタムディメンションも一緒に設定する場合にはこちらコードになります)
//トラッカーの定義 let tracker = GAI.sharedInstance().defaultTracker //イベントトラッキング let EventBuilder = GAIDictionaryBuilder.createEventWithCategory("イベントカテゴリ", action: "イベントアクション", label: "イベントラベル", value: nil) tracker.set(GAIFields.customDimensionForIndex(1), value:"ここにカスタムディメンション1の文字列を定義します") tracker.send(EventBuilder.build() as [NSObject : AnyObject])
Googleアナリティクスでの計測確認
Googleアナリティクスにログインし、リアルタイムレポートで動作を確認します。
Googleアナリティクス>レポート>リアルタイムレポート>スクリーン
Googleアナリティクス>レポート>リアルタイムレポート>イベント
カスタムディメンションは、リアルタイムレポートでは確認できないので、時間が立って計測されたことを確認します。
カスタムディメンションは通常レポートでは確認できないので、カスタムレポートを作成して、計測されたことを確認します。
以上が、iOS(Swift版)アプリでのGoogleアナリティクス実装方法でした。
最後に
実装にいくつか手間がかかる部分がありますが、Googleアナリティクスが日々進化しているので、時間の経過とともにもっと簡単に実装できるかもしれません。
実装には基本的なアプリ開発の知識が必要な部分もあるかと思いますので、あわせてiOSアプリの勉強も検証した方がよいかもしれません。
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