ウェブ計測で話題になりつつある、2014年6月現在ベータ版の「User-ID」機能を試してみましたので報告します。
目次(ページ内リンク)
User IDトラッキングとは?
この機能は、簡単にいうとサイトで扱っているログインIDを使って、個々のユーザーを判定し、「計測の限界」とされ、これまで実現できなかったスマホ、PCというデバイス間のクロス分析を可能とするトラッキング方法です。
User-IDを使用する前に抑えておくべきポイント
User-IDトラッキングを使用する前に3つの点を抑えておく必要があります。
User IDを使用するために新規ビューを作成する必要あり
つまり、これまでのデータを引き継ぐことができません。
ログインしたユーザーだけしか、計測することができない
つまり、すべてのユーザーを対象とするわけではなく、サイトでログインした経験のあるユーザーのみを計測大将とするわけです。
トラッキングコードの書き換えが必要です。
既存のトラッキングコードに追加で一行記述する必要があります。
補足で、Googleアナリティクスは、標準版ではなく、Univarsal Analytics版ではないとできないようです。
User IDでどのようなレポートがみれるのか?
確認した範囲で新たに確認できるレポートはこの3つです。
クロスデバイスレポート
デバイスの重複
・・・ベン図を使って複数のデバイスを使っているユーザーの割合をレポート
デバイス経路
・・・ユーザーのデバイス利用トレンドをレポート(PC→モバイル→PC→タブレットなど)
ユーザー獲得デバイス
・・・ゴールに至ったユーザーの最初の接触デバイスをレポート
加えて、メインのビューの方で、「User-IDカバレッジ」といったUser-IDが全体のどの程度を占めるのか確認できるレポートが表示されます。
ではさっそく、私はログインIDを扱っているサイトなど持っていないわけですが、テスト環境(ローカル環境)でテストしてみたいと思います。
User IDトラッキングの設定手順
環境
XAPMM
localhost.com(hostsファイル書き換えで仮想ドメイン)
User-ID機能を有効にする(同時にビューの新規作成)
1.Google アナリティクスにログイン
2.アナリティクス設定>該当プロパティ>トラッキング情報>User-IDと進みます。
3.User-IDを有効
4.ポリシーに同意
5.セッション統合をON
6.ビューに名前を付けて新規作成(ここではUser-ID Viewと命名します)
7.作成ボタンをクリックして、ビューが作成されたことを確認します。
Google アナリティクスのコードを書き換える
続いて、既存のトラッキングコードを書き換えます。
「ga('set', '&uid', 'User-test-ID');」の行をga('send'...);の前に追加します。
※Googleアナリティクスのサンプルコードはシングルクォーテーションが全角になっているので注意です。半角にする必要があります。
User-test-IDの部分がキモで、本来は各ユーザーごとのログインIDが動的に記載されるようにします。
サンプルのまま記載すると、すべて同一の「User-test-ID」ユーザーとして認識されてしまいます。今回はログインIDなどないので、このまま進めます。
<!-- Google Analytics --> <script> (function(i,s,o,g,r,a,m){i['GoogleAnalyticsObject']=r;i[r]=i[r]||function(){ (i[r].q=i[r].q||[]).push(arguments)},i[r].l=1*new Date();a=s.createElement(o), m=s.getElementsByTagName(o)[0]; a.async=1;a.src=g;m.parentNode.insertBefore(a,m) })(window,document,'script','//www.google-analytics.com/analytics.js','ga'); ga('create', 'UA-40238933-3', 'auto'); ga('set', '&uid', 'User-test-ID'); ga('send', 'pageview'); </script> <!-- End Google Analytics -->
リアルタイム計測にてテスト計測
トラッキングコードを埋めたページにアクセスして、作成したUser-ID Viewにて、正しく計測されているか確認します。
ビュー>リアルタイム>コンテンツ
無事1名計測されました。
(Google ChromeのエミュレーションモードでiPhone 5sに偽装してアクセス)
(Google Chrome→F12→Esc→Emulationから設定可能です)
時間をおいてクロスデバイスレポートの確認
時間をおいて、レポートを確認します。
ユーザー>クロスデバイス>デバイスの重複 レポート
※1時間くらいで反映されました。
まだ全然クロスされていないですが、モバイル100%として認識されています。
以上です。ログがたまってきたらまた報告したいと思います。
そもそも、計測のしくみってどうなってるの?って方は、Googleアナリティクス関連の書籍はいくつか出ていますので、まずは、そういった本でも勉強することをオススメします。
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