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100%返金生命保険のビジネスモデルの疑問

年金制度が崩壊しつつある今。
今から40年後の生命保険(100%返金)は帰ってくるのだろうか?
保険の営業マンの話を聞きながらそんなことをふと思った。

たしかに、そんな疑問を抱かずにはいられない。
生命保険は画期的なビジネスモデルだ。
会社は個人から毎月1~6万円ほど徴収し、もしものときに5000万円ほど支払う。
満期までにもしもが起こらなければお金はすべて会社の利益。
一方もしもが発生すれば会社にしたらマイナスになる。
しかし、もしもが発生する確率は、100人に1人もいないはずであるから
当然、会社は儲かるしくみである。人の不安を弱みに漬け込んだ商売とも悪言い方ともいえるが
よく考えば、これは個人も会社もハッピーなビジネスモデルだ。

一方、これが100%返金の生命保険となる急にあやしくなる。
そもそも、ビジネスモデルとして、計算があわないように思う。
もしものときの金額を保証して、さらに満期が来たら預かったお金は
全額返金してしまう。果たしてこんなことが可能なのだろうか。

仮にシュミレーションすると、会社がビジネスを始めた当初は、収入のみなので
会社にはお金が入ってくる一方だ。こんなおいしいビジネスはない。
営業マンの育成にも、知名度の向上にお金を使うことも、自社ビルを建てることも可能になる。
十数年がたち、はじめの満期を迎える人がたちが現れ始める。
満期で全額返金しても、毎月その他大勢の加入者からお金を徴収するから
会社はお金がたまる一方である。
しかし、新規顧客獲得や会社で働く人の人件費がどうしても必要になるから
その分は、加入者から集めたお金で払うことになる。
それでも、会社は黒字で回り続けるだろう。
何十年か、何百年か先かわからないが、ある時、
満期を迎えた人に対する支払いと会社の経費に消えるお金が
加入者から受け取る金額を上回るときがくる。
つまりこのときからマイナスが出始める。こうなると毎年毎年、赤字を出し続けることになる。
しかし、会社としては会社スタート時より、
加入者から集めた莫大な金額があるので回り続けるだろう。
でも、毎年毎年赤字を出し続けていればいつかお金が底をつくことになる。
そして、会社は倒産して社長は自己破産して終わりである。
保険会社は倒産しても個人の契約は、保護される大丈夫であるが、
※以下のURLを参照。
保険会社の破綻とその後 (倒産・会社更生法・更生特例法・保険契約の保護)

100%返金の生命保険はこんな感じではないだろうか。
実際のところ、うまくビジネスが回るように、集めたお金を投資して増やすなど
考えられているかもしれないが、結局のところは、
倒産しても個人も守られるので、損をするのは株主とその会社の社員ですかね。

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